top of page

生のお笑いの良さ

  • 執筆者の写真: ゼミ 横山
    ゼミ 横山
  • 5月3日
  • 読了時間: 6分

 竹内来羽


突然ですが皆さんはお笑い番組を見たことがありますか?おそらくほとんどの人が見たことがあるのではないでしょうか。年末年始のテレビ番組といえばお笑い!それほど日本人にとって馴染みのあるお笑いだと思いますが、実際にお笑いを劇場で見たことのある人はあまりないのではないでしょうか。普段テレビで見るお笑いを私は初めて劇場で観劇し、テレビで見ることと実際に見ることとの違いに面白さを感じたのでその感想をシェアしたいと思います。



そもそも私が生のお笑いを観に行こうと思った理由は、先だって出演した、所属していたダンスサークル「D-mc」の引退公演において、題材が“お笑い養成所”だったからです。映像での演技(ドラマ)とダンスでストーリーを展開していく公演で、私自身これまであまりお笑いに触れることはなかったのですが、お笑いや芸人を目指す人について真剣に考え向き合った公演でした。その経験を経てお笑いに興味を持ち、実際に芸人として活躍されている人のネタを生で見たいと思い、劇場へ足を運びました。


D-mc公式Instagramより引用


私が今回観劇したのは、埼玉県にある大宮ラクーンよしもと劇場で1月3日に行われた、『新春大宮新年会!ネタして遊んでどんちゃん騒ぎ!』という、年明けのお笑いライブです。出演者は、ジョックロック、ダンビラムーチョ、ヘンダーソン、ゆにばーす、田津原理音の計5組で1時間のライブでした。“初笑い”という言葉があるように、新年はお笑いが盛んになります。正月三が日中ということもあり、150人キャパの会場もほぼ満席で、小さなお子さんやお年寄りなど年齢層も広く、老若男女のお客さんで席が埋め尽くされていた印象です。特に若い女性のお客さんが多いように感じました。出演者10名中9名が男性の芸人さんだったことや、グッズを掲げて写真を撮っている方が多くいたこともあり、推し活の一環であるように思いました。


ライブは、はじめにゆにばーすの2人がオープニングトークで会場を盛り上げてくれました。年明けトークや、直近に行われた『女芸人No.1決定戦 THE W 2025』『M-1グランプリ』の敗退話をネタにして、アイスブレイクのような感じで会場を温めていました。その後は、各芸人さんたちの漫才が次々と披露されていきました。

漫才には大きく分けて2つの種類と特徴があります。1つ目はいわゆる正統派と言われる、しゃべくり漫才です。特徴は、自分自身をベースとしたボケを軸にするところで、人柄が出る漫才です。なので、芸人さん本人の面白さやセンスが顕著に出る漫才であるといえます。2つ目はコント漫才です。しゃべくりからコントに入り、自分ではない他のキャラクターを演じることで笑いを作る漫才です。自分自身をネタにすることなく、笑いを1から作るという制作力が鍵になる漫才であると言えるでしょう。世の中の芸人さんはこれら2つの漫才をベースにキャラクターを濃くしたり、フリップを活用したりして、独自の漫才を作り上げています。


今回観劇したどの芸人さんたちも上記のような漫才で、唯一無二で面白かったのですが、お笑い初心者の私にとって、フリップ芸をしていた田津原理音さんのネタが一番わかりやすく面白かったです。というのも、田津原理音さんのネタは「日常にあるつっこまずにはいられないもの」につっこんでいくもので、ペンキが剥げて読解が難しくなっている掲示板など誰もが見たことのあるような日常を切り取ったネタで、とても親しみやすく、自然と笑ってしまいました。途中に挟まれたトークコーナーでも、他の芸人さんたちから絵の上手さを褒められていたほど絵心があり、その独特でありながらも面白い絵のタッチと、ツッコミのワードを達筆な字で書いたフリップが視覚的に面白さを掻き立てていました。他のネタも気になり、後日田津原さんの公式YouTubeを視聴しました。どのネタを見ても絵に対してツッコミを入れていくものが多く、ウケるところがお客さんにもわかりやすいため見やすかったのだと思いました。


著者撮影


先述した引退公演の劇中で、お笑い養成所の先生が独りよがりでネタをする生徒に対して叱咤するシーンがありました。そこで「お笑いは決して一人で作るものじゃない、見てくれるお客さんがいてその空気や呼吸で成り立つものなの。ただネタを一方的に伝えても場はあったまらない。」という台詞があります。私はこれを聞いて、意味が理解できませんでした。笑いのツボは人それぞれだけど、人を笑わせることのできる芸人さんにはきっと才能があって、どんな場所でも笑いを取れると思っていたからです。でも今回実際に観劇してみて、お客さんの存在の大切さを実感しました。ステージに立つ芸人さんたちは皆、客席にいるお客さんとコミュニケーションを取りながらネタをしていました。お客さんの反応を窺って、会場に笑いが起きると安堵の表情を浮かべていました。また、お客さん側の自分からしても、笑いの内容があまり理解できていなくても、周りが笑っているとなんだか面白くなってしまう、一人で観劇しているはずなのに、気がついたら周りにつられて声を出しながら笑っていました。お笑いにおいて最も必要なのは、お笑いを楽しむ芸人と観客が作り出す環境なのだと身をもって感じました。観劇した中でお客さんとのコミュニケーションがいちばん多いと感じたのも田津原さんでした。ピン芸人ということもあってそれをより大切にしているのではないかとも思いましたが、YouTubeに上がっていた動画でも私が劇場で見たのと同じように、その時々のお客さんの温度感をはかるような、より会場を盛り上げるような挨拶をしていて、そのコニュニケーションの熱でネタを盛り上げている印象でした。


今回こうして実際に劇場へ足を運び、生のお笑いに触れたことで、テレビで見ることとの違いを顕著に感じることができました。加えて、生のお笑いは自分も一緒にライブを作っている感覚になり、より面白さを感じることができました。無知だったお笑いに興味を持たせてくれたサークルの活動に感謝の気持ちが芽生えるとともに、今回とはまた違う芸人さんを見たい、また劇場でお笑いを見たいという願望が生まれました。そのくらい楽しんだ初めてのお笑い観劇でした。


私が行ったのは大宮ですが、よしもと劇場はなんばや新宿をはじめ、全国の様々な場所にあり、ほぼ毎日公演が行われています。日によって見られる芸人さんは異なりますが、気軽に足を運びやすい劇場です。年末年始テレビでお笑いを楽しんだ方、お笑いが好きな方、是非劇場に足を運んでみてはいかがでしょうか。観劇したらもっとお笑いが好きになること間違いなしです!

コメント


  • Instagram
  • Twitter

©2020 by 立教大学映像身体学科芸能研究ゼミ。Wix.com で作成されました。

bottom of page