top of page

白熱する『ダンスバトル』シーン

  • 執筆者の写真: ゼミ 横山
    ゼミ 横山
  • 2021年4月3日
  • 読了時間: 5分

更新日:2021年12月13日

吉原 琢朗




突然ですが皆さんは、「ダンス」と聞かれて何を思い浮かべるでしょうか。バレエ、モダンダンス、アイドル、etc…人によって思い浮かべる「ダンス」の種類は違うほど、ダンスは多様化しています。今回はその中でも「ストリートダンス」の「ダンスバトル」にフォーカスを当てたいと思います。また、そのダンスバトルの個人的ベストバウト(最もよかった試合)をいくつか紹介したいと思います。


揃えるダンスと揃えないダンス

ダンスという文化が多様化する中で、特に昨今注目されているのは「揃えるダンス」というものだと考えます。例えば、バブリーダンスで注目を浴びることなった登美丘高校ダンス部のパフォーマンスなどがその代表例だと言えるでしょう。




このように誰かが作ったフリを大人数で踊り、揃えることを美学としたダンスというものが注目を浴びました。また、TikTokの流行により、今度は「誰にでも踊れる簡単な振付」というものが流行しました。登美丘高校のようなダンス、TikTokのような親しまれるダンス、どちらにしても、「あらかじめ誰かが用意したダンスを踊る」というのが最大の特徴だといえるでしょう。


今回取り上げるストリートダンス、とりわけダンスバトルというのは、「個人が即興のダンスで競い合う」という、昨今の流行とは対にある存在だと言えるのではないでしょうか。揃えることと、揃えないこと、両者が「美学」としていることは違えど、どちらにも違った魅力があります。今日はそんなダンスバトルの紹介と解説をしたいと思います。


ダンスバトルとは

ダンスバトルとは、その名の通り、ダンスのかっこよさを競うもので、1対1、もしくはcrewバトルと呼ばれるチーム対抗のものなどが存在します。勝敗は、ジャッジが数名いて、ダンススキル、会場を魅了する力(声援の量)などから判断し勝敗を決めます。同じジャンル同士のバトルもあれば、違うダンスジャンルで競い合うこともあり、世界中でたくさんの白熱した名バトルがうまれてきました。


馬 vs SHUHO


まず、紹介したいのはこちら、DANCE@LIVEと呼ばれる国内最大級のダンスイベントで行われたこの一戦。馬vs SHUHOという全くことなったダンススタイルを持つ二人によって生まれた名バトルです。


先攻は、SHUHO。一曲目はハウスビーツ(ハウスミュージック)ということもあり、曲が流れた時点でハウスダンスを得意とするSHUHOが優位かなと思いましたが、後攻の馬も得意のスタイルで、一気に会場の空気を自分の空気へと変えていきます。そして2ラウンド目に流れたのはBusta Rhymesの『Break Ya Neck』という曲です。


ダンスは、オンビートと呼ばれる、拍を意識して踊ることを基本としていますが、このラウンドでは両者とも「リリック」で音を取るということをしています。SHUHOは主に足で、馬は手や全身を使った動きでそれぞれ違う部分を使って音取りしているのも見所の一つです。極めつけは「Stop」というリリックでの両者のフリーズ(拍の終わりや音抜きの部分で止まる技術)でしょう。


実際に私もここにいたのですが、先行のSHUHOのフリーズを見たとき正直「SHUHOさんの勝ちだ。」と思ってしまいましたが、後攻の馬のフリーズはこれを超える勢いで会場を沸かし、このバトルは馬の勝利となりました。


Bboy Junior vs Bboy Neguin


また、同じジャンルでもスタイルの違いというのは大きく出ます。こちらは、海外のURBAN DANCE SHOWCASEという大会で行われたバトル。両者ともB-boy(Breakダンサー)ですが、踊り方はまるで違います。先行Neguiは、アクロバットなムーブを得意とする一方で、後攻のJuniorはストロングスタイルと呼ばれる、筋肉で自分の体重を支え、浮かせるようなムーブを得意としています。


このように違ったダンススタイルのバトルで、ダンススキルだけでは勝敗がつけられないようなバトルは『Style Wars』と呼ばれたりもします。


もはやジャッジも好みでしか判断できないような難しいバトルもあります。また、バトルのもう一つの魅力は、ピースフルなところにもあります。バトルでありながらもお互いをリスペクトしあっているのが、ハグなどから伝わってきます。ダンスやHIPHOPというのはどうしても「危ない」とか「怖い」とか印象を持たれがちですが、このようにお互いをリスペクトし合う素晴らしいカルチャーでもあるのです。


慶應 vs 立教


最後に紹介するのは、Crew battle(チーム対抗戦)の中でも、年に一度行われる東京六大学ストリートダンスリーグより、2016年の慶應vs立教のダンスバトルです。Crew battleの特徴はなんといっても、あらかじめ決めたムーブを流れた音楽に合わせて即興で合わせるルーティンと呼ばれるものがあることです。立教サイド、5:27あたりから見られるのがルーティンです。これが団体戦ならではの魅力といえるでしょう。


このバトルは惜しくも立教が破れてしまいましたが、実は立教はここ数年この六大学ストリートダンスリーグ戦のバトルで勝ち続けています。また、Crew battleはターン数が多いことも特徴で、決められた時間やターン数の間に何人ものダンサーが登場し、いろいろなジャンルが踊り合うというのも見ている側として、大きな魅力に感じます。また、大学生ならではの盛り上がり、一体感を見てもベストバウトだといえるバトルです。


いかがだったでしょうか?ダンスといっても様々なものがあるうえに、ダンスバトルというものの中でもバトルによってさまざまな違った魅力があります。私はこれこそダンスの最大の魅力だと思います。これを機に、どんなシーンでも人々に感動と興奮を与えるダンスバトルをぜひYouTubeなどでチェックしてみてください。


文責者:吉原琢朗

#個人記事

最新記事

すべて表示
文献紹介 『スポーツマンガの身体』

岸優希 はじめに  私は「する」「見る」の両面からスポーツに触れる中で、スポーツマンガの身体表現に惹かれてきました。二次元の絵でありながら、その迫力や質感が伝わってくるのはなぜなのか、読者の身体はどのように作品世界と繋がるのか、今回の記事では、齋藤孝氏の『スポーツマンガの身体』を手がかりに、マンガならではの身体表現の特性を整理していきます。 著者が捉えるスポーツマンガの魅力  著者はスポーツマンガ

 
 
 
令和版『ベルばら』について

桑原菜緒 はじめに 宝塚歌劇団による『ベルサイユのばら(通称:ベルばら)』は池⽥理代⼦⽒による漫画を原作とした舞台作品で1974年に初演以来、宝塚歌劇団の代表作の⼀つとして多くのファンに愛されている。フランス⾰命を舞台として描かれる恋愛物語だが、⼤きく分けて2つのパターンが存在する。トップスターがフェルゼンという役を演じるもの(「フェルゼン編」「フェルゼンとマリー・アントワネット編」)とトップスタ

 
 
 

コメント


  • Instagram
  • Twitter

©2020 by 立教大学映像身体学科芸能研究ゼミ。Wix.com で作成されました。

bottom of page